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液晶事業における提携について

2000年10月24日
日本電気株式会社
カシオ計算機株式会社

NEC(社長:西垣浩司、本社:東京都港区)とカシオ計算機株式会社(社長:樫尾和雄、本社:東京都渋谷区、以下カシオ)の両社は本日、TFTカラー液晶に関し、商品企画・開発から生産にいたる広範な提携関係を構築することに合意いたしました。

両社の提携は、携帯電話や携帯情報端末向けを主な用途とする1.5~8型クラスの中小型カラーTFT液晶ディスプレイ事業を対象としたもので、具体的な内容は以下の通りです。

  1. 開発について、主にカシオが透過型TFTカラー液晶を、NECが反射型TFTカラー液晶をそれぞれ分担する。開発された製品を相互供給し、双方のブランドでそれぞれ販売する。
  2. 生産については、透過型TFTカラー液晶の前工程をNECとカシオで分担し、後工程はカシオが担当する。反射型TFTカラー液晶については、前工程をNECが、後工程をカシオがそれぞれ分担して行う。
  3. コストダウンを図るため、部品の共通化を積極的に推進する。

NECは、透過型TFTカラー液晶に加え、反射型TFTカラー液晶の生産に対応するべく新たに30億円を投じ、来年春の稼動を目指してNEC秋田(社長:洋、本社:秋田県秋田市)のA-1工場の一部を転用し、ガラス基板(37cm×47cm)を月間1万枚処理できる反射型TFTカラー液晶の生産ラインの構築を進めてまいります。

カシオは、反射型TFTカラー液晶の後工程ラインを構築するため、20億円を投資、来年春の本格稼動を目指し、高知カシオ(社長:高山厚仁、本社:高知県南国市)の生産ラインの増強を図ってまいります。

携帯情報端末の高度化や携帯電話のカラー化の進展、および来年の第三世代携帯電話サービス開始に対し、より高画質なカラーディスプレイが求められております。一方、携帯性をさらに追求するため、一層の低消費電力化が強く求められるなど、市場や用途毎に多様なディスプレイが必要とされております。

NECとカシオでは、NECが開発した反射型TFTカラー液晶技術やカシオの有する透過型TFTカラー液晶技術、中小型モジュール化技術など、両社の有する豊富な開発リソースと生産能力を相互に融通・補完し合うことにより、中小型TFTカラー液晶事業の強化と効率化を目指すものであります。

NECは、TFTカラー液晶をマルチメディア時代のヒューマン・インタフェースのキーデバイスと位置付け、昭和62年(1987年)から大型TFTカラー液晶ディスプレイの研究・開発を開始いたしました。以来、NECのカラー液晶事業は、ノートパソコンという新市場を創出、さらにコンピュータ用大型モニタに応用分野を拡大し、量産ラインとしてはNEC鹿児島(鹿児島県出水市)とNEC秋田(秋田県秋田市)の2拠点を稼動させております。この結果、カラー液晶事業は、半導体・電池とともに「NECエレクトロンデバイス」の大きな事業の柱となっております。今後、中小型領域にフォーカスしこの分野で業界トップの事業を展開しているカシオとの今般の提携により、中小型TFTカラー液晶ビジネスをノートPC、モニタ分野に続く新たな液晶ビジネスの柱として早期に立ち上げを図ってまいります。

カシオは、昭和49年(1974年)、電卓・時計用の表示デバイスとしてTN液晶の研究・開発に着手、平成6年(1994年)からは高知カシオにてTFTの生産を開始いたしました。液晶事業に参入以来、一貫して中小型液晶ディスプレイ分野に絞り込んだ事業を展開しており、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、カーナビゲーションなどのAV機器、ミニノートPCやパームサイズPCなどの携帯情報機器向けに売上を拡大してまいりました。特に近年、携帯情報機器の表示用ディスプレイに最適な、HAST(ハイパー・アモルファス・シリコンTFT)液晶の需要が急拡大しており、現在、旺盛な需要増に応えるため、生産拠点である高知カシオの隣接地に新工場を建設中です。今回のNECとの提携により、携帯情報端末や携帯電話向け中小型TFTカラー液晶のラインアップを強化し、一層の事業拡大を図ってまいります。

以 上

プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。