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広視野角と狭視野角を切り換えて表示可能なカラー液晶ディスプレイモジュールを開発

報道関係各位
2007年10月24日
日本電気株式会社
NEC液晶テクノロジー株式会社

視野角制御イメージ

NEC液晶テクノロジー(代表取締役社長:上野 敏彦、本社:神奈川県川崎市)はこのたび、利用シーンや表示内容に応じて広視野角と狭視野角を切り換えて表示できるカラー液晶ディスプレイモジュールを開発しました。

このたび開発した液晶ディスプレイモジュールは、業界で初めて液晶パネルのバックライト側に視野角を制御する仕組みを設置しています。これにより、従来方式に比べて狭視野角時の遮蔽性を大幅に高め、「狭視野角によるセキュリティの保持」と「広視野角による広告効果の実現」を高いレベルで両立しています。

本開発品は、当社のコアテクノロジーのひとつであるValue Integrated TFT(VIT)技術を用いて、液晶パネルのバックライトシステム側の偏光板にバックライトからの光の進行方向を切り換える機能を組み込んでいます。これを信号制御することによってバックライトからの光の進行方向を切り換え、光の拡散時には広視野角、直進時には狭視野角と、任意に使い分けることを可能にしています。なお、狭視野角時の視野角は、設計時に任意に設定できます。

1999年3月の銀行法改正により、それまで原則として銀行の施設内に限られていたATMの設置規制が撤廃され、コンビニエンススストアをはじめとするパブリックスペースへのATMの設置が急速に進んでいます。これにより、利用者にとっての利便性が大幅に向上しましたが、銀行店舗への設置の場合に比べて不特定多数の人が出入りする環境であるため、暗証番号などの表示情報を覗き見されるセキュリティ面のリスクが問題視されるようになり、覗き見防止フィルムや、仕切りの設置などの対策が施されてきました。一方、2003年7月には、ATMの画面などに広告を掲載することについて、銀行法に抵触しないとの見解が金融庁より示され、新しいビジネスモデルとしての期待が高まっています。しかし、セキュリティ強化のために視野を制限された状態の表示画面では、ATMを利用する人以外への広告効果が期待しにくいというジレンマがありました。このため、市場からは「狭視野角によるセキュリティの保持」と「広視野角による広告効果の実現」という、相反する特性を両立する表示装置へのニーズが高まっていました。これに対し、2004年以降、表示装置の視野角を切り換え可能ないくつかの方式が提案・実用化されてきましたが、いずれの方式も液晶パネルの表示面側に視野角を制御する仕組みを設置するもので、狭視野角時の表示情報の遮蔽性に限界がありました。
このたびの開発は、こうした課題を解決し、ATM利用者の個人情報保護と、通常時(非利用時)の広告・公共表示用端末としての活用の両立を容易にするものです。

NEC液晶テクノロジーは、本技術をATMだけでなく、KIOSK端末や自動チェックイン機、自動発券機など、パブリックスペースに設置され、かつ、利用時に高いセキュリティが求められる各種装置・端末用の表示装置に適用することにより、様々な応用が期待できると考えています。

NEC液晶テクノロジーは今後も、VIT技術をはじめ、当社のコアテクノロジーを駆使して液晶表示装置の新たな価値創出に取り組んでいきます。

なお、当社はこのたび開発品を、10月24日~26日にパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催される「FPD International 2007」に出展します。

以 上

プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。