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専用メガネなしで立体表示可能な高精細3D液晶ディスプレイを開発
~産業用途に適した12.1型SVGA表示に対応~

報道関係各位
2008年10月15日
日本電気株式会社
NEC液晶テクノロジー株式会社

専用メガネなしで立体表示可能な高精細3D液晶ディスプレイを開発

NEC液晶テクノロジー(代表取締役社長:上野 敏彦、本社:神奈川県川崎市)はこのたび、裸眼立体視が可能な対角31cm(12.1型)SVGA(800×600ピクセル)表示対応のアモルファスシリコンTFT(薄膜トランジスタ)カラー液晶ディスプレイモジュールを開発しました。

このたび開発した液晶ディスプレイモジュールは、NEC独自の3D表示用画素配列であるHDDP(Horizontally Double-Density Pixels)方式を採用し、光学素子(注1)を組み合わせることにより実現したもので、3D専用メガネを用いることなく高精細な3D表示を実現します。

本開発品は、RGBのサブピクセルを横ストライプ状に配置し、水平方向の画素を倍密度化するHDDP方式の採用により、一般的な縦ストライプ配列を持つ従来方式の3D液晶ディスプレイに比べ、水平方向の精細度を2倍に高めています。倍密度で水平方向に並んだ画素に対して、右眼用のデータと左眼用のデータを水平方向に1画素ずつ交互に表示すれば3D表示が、隣り合った2画素に同じデータを表示すれば2D表示が可能です。3D表示と2D表示を同じ解像度で実現できるため、同一画面上での3D・2Dの混在表示時や、3D画面と2D画面の切り換え時にも、違和感の無い表示を実現できます。さらに、長年の3Dディスプレイ研究・開発のノウハウを活用し、設計を最適化したことにより、3Dクロストーク(注2)を抑制し、広い立体視域を確保することで、高品位な3D表示を可能にしています。

近年、米国を中心に映画やゲームといったエンターテインメント、アミューズメントの分野で3Dコンテンツが増加しており、国内でも、2007年12月より3D放送が開始されるなど、3Dコンテンツの普及が急速に進展しています。また、遊興機器やデジタルサイネージをはじめ、工業用CAD、医療用画像解析など、各種産業機器の分野でも表示情報3D化のニーズが高まっています。そのため、高品位な3D映像を表示できるハードウェアの提供が急務となっていました。

このたびの開発品は、2004年8月にNEC中央研究所が開発した「HDDP方式を採用した2.5型3D液晶ディスプレイモジュール」をベースに、NEC液晶テクノロジーが3D画質のさらなる高品位化を目指し、研究・開発を進めて実現したものです。
本開発品は、近年、産業分野において急速に需要が伸張している12.1型SVGA表示対応のサイズ・解像度に対応しています。

NEC液晶テクノロジーは今後、3D液晶ディスプレイの2009年度中の量産化を目指して研究・開発をさらに推し進めるとともに、当社のメインターゲットである産業市場における新たな用途の開拓に取り組んでいきます。

なお、当社は3D液晶ディスプレイの試作機を、10月23日~26日に日本科学未来館(東京都江東区)に日本科学未来館で開催される「国際3D Fair」、および10月29日~31日にパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催される「FPD International 2008」に出展します。

【別紙】開発した高精細3D液晶ディスプレイの画素配列

以 上

注1: 左眼用のデータは左眼のみで、右眼用のデータは右眼のみで視認できるよう、光の方向を変える素子。パララックスバリア式、ピンホール式、レンチキュラレンズ式などがある。この素子のはたらきにより、メガネなしでの3D表示を実現する。
注2: 左眼用のデータが右眼に、右眼用のデータが左眼に混入すること。3D視認性の低下を招く要因となる。

プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。