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3D画像処理エンジン・TR3i-2搭載、アイトラッキング3Dシステムの開発
~100視点を超える運動視差付与で、視線の変化に対応してリアルな3D表示を実現~

報道関係各位
2014年5月30日
NLTテクノロジー株式会社

NLTテクノロジー(代表取締役執行役員社長:大井 進、本社:神奈川県川崎市)はこのたび、視点の動きに応じて表示画像を最適化する、独自のアイトラッキング3Dシステムを新たに開発しました。

新しいアイトラッキング3Dシステムは、NLTテクノロジー独自の高精細裸眼3D表示技術HxDP(Horizontally x times Density Pixels)と、画面観察者の視点を高精度で検出するアイトラッキング装置、そして新たに独自開発した3D画像処理エンジン・TR3i-2(Truly Realistic 3D Imaging)で構成されます。TR3i-2は、100を超える視点から見た画像を生成することができ、観察者の視点の位置が変わっても、その変化に対応した3D映像の表示、すなわち運動視差の付与を行います。

 当社独自の3D画像処理エンジン・TR3iは、アイトラッキング装置が計測した観察者の観察位置に応じて、表示ディスプレイの特性を反映した独自の画像変換処理を行います。これによって、観察位置が移動した時に画像が二重に見えたり、左右の目に入る画像が逆転する逆視像が発生してしまう問題を解決して、最適な画像データを裸眼3Dディスプレイに送ります。

昨年発表したTR3i-1では、一般的に多く用いられている2視点の画像データを利用して、画像データの視差制御を行い、滑らかな裸眼3D画像を表示しました。

このたび新たに進化したTR3i-2は、任意の視点数に対応して画像の生成と視差制御を行い、100を超える視点で運動視差を付与します。このため、いっそう滑らかで臨場感あふれる表示を実現します。

一方、従前より当社が開発・販売を進めているHxDPは、独自の画素配列によって高密度で高精細な表示を可能にする多視点裸眼3D表示技術です。*1

このHxDPを採用した高精細3D液晶ディスプレイに、今回開発した3D画像処理エンジン・TR3i-2を搭載することにより、観察位置の変化による影響を抑え、より自然でシームレスな裸眼3D表示を実現することに成功しました。

近年、ゲーム、スマートフォン、テレビといった民生機器分野だけでなく、医療や教育といった産業用機器分野でも裸眼3D表示機能への期待が高まっています。これは、内視鏡をはじめとするステレオカメラの普及により、画像中の奥行き感まで把握できる高精細の裸眼3D画像の利用機会が増加すると同時に、その利用価値が認められたことによるものといえます。しかし、観察者の移動時に二重像、逆視像が発生する問題や、立体視認が可能な範囲が限られるという問題が、利用価値を損なう要因の一つとなっていました。この課題を解決する方法として、立体像をさまざまな視点から観察できるよう視点数を大きく増やすことで立体視認範囲を広げ、逆視の出現を緩和する手法がありますが、視点数が増加すると3D精細度が低下するため、逆視の出現緩和と3D精細度確保の両立には限界があり、課題となっていました。

このたびのTR3i-2を搭載した新しいアイトラッキング3Dシステムは、こうした課題を解消し、産業用機器にも適用できる高品位の裸眼3D表示を実現します。

NLTテクノロジーは、本技術を各種装置・端末用の表示装置に適用することにより、幅広い応用の機会が期待できると考えています。当社は今後も、先進技術を駆使して液晶表示装置とこれを用いたシステムの新たな価値創出に取り組んでいきます。

なお、当社はこの新開発のTR3i-2搭載アイトラッキング3Dシステムを、6月3日から5日にアメリカ・サンディエゴで開催される「SID Display Week 2014」(#1320)に出展します。

以 上

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<図 TR3i-2の多視点対応イメージ>


*1 HxDPについての詳細は、下記プレスリリースをご参照ください。
「専用メガネ不要の多視点3D表示技術“HxDP”を開発」(2012年5月14日)
http://www.nlt-technologies.co.jp/jp/release/release_120514.html


プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。