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RGB各色10bitの入出力に対応した21.3型QXGA液晶ディスプレイモジュールを開発

2004年10月18日
NEC液晶テクノロジー株式会社

554cm(21.3型)アモルファスシリコンTFT液晶ディスプレイモジュール
54cm(21.3型)アモルファスシリコンTFT液晶ディスプレイモジュール

NEC液晶テクノロジー(代表取締役社長:奥野和雄、本社:神奈川県川崎市)はこのたび、デジタル写真編集、出版・印刷など、高品位な階調表現や高度な色分解能が要求されるプロフェッショナル用途向けに、RGB各色10bitの入出力に対応した対角54cm(21.3型)アモルファスシリコンTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)液晶ディスプレイモジュールを開発しました。

このたび開発したモジュールは、NECエレクトロニクス社が開発した10bit分解能液晶ディスプレイ用ソースドライバを採用することにより、RGB各色を1024階調に制御し、10億7374万色の同時表示を実現いたしました。さらに、パネル透過率を向上させた当社独自技術のSuper Advanced-Super Fine TFT(SA-SFT)技術により、QXGA(2048×1536ピクセル)の高解像度ながら、235cd/m2の高輝度とNTSC比72%の広色度域の両立を実現しております。

新モジュールの主な特長は以下の通りです。

  1. 10bitドライバICの採用により、RGB各色を入力から出力まで1024階調で制御し、10億7374万色の同時表示を可能。さらに内部に12bit のLUT(Look Up Table)を装備したことにより、約685億色の中から最適な10億7374万色を抽出して表示することが可能。これらにより、コンピュータグラフィックスやデジタル写真編集、出版・印刷、医療における画像診断や画像解析といったプロフェッショナルな用途において、ガンマ値(注1)や色調を変更するなどの高度な加工作業によって発生しがちな階調飛びや階調つぶれを抑え、高品位な階調表現を可能。
  2. 当社独自のSA-STF技術の採用により、上下左右ともに170°の超高視野角を実現。これにより、見る方向や角度に応じた輝度・色調変化を抑制し、見る方向や角度にとらわれずに高品位な画面を表示可能。また、セルの高開口率化による透過率向上により、ピクセルサイズ0.211mmの高精細とともに、 235cd/m2の高輝度とNTSC比72%の広色度域を両立。
  3. プロフェッショナル用途に適した大型(21.3型)、高解像度(QXGA:2,048×1,536ピクセル)表示を提供。さらに、このクラスでは業界最小となるフレーム幅約12mmを実現。

近年、パソコンの処理能力の向上やストレージ装置の大容量化などに伴い、「コンピュータグラフィックス」用途に加えて、「写真編集」、「出版・印刷」、「医療」といった分野においてもデジタル化が急速に進展しております。こうしたプロフェッショナル用途では、データの加工・編集の際に、表示装置のガンマ値や色調の変更が頻繁におこなわれる傾向にあります。 こうした中、従来のRGB各色8bit入出力対応の液晶ディスプレイモジュールでは、本来意図した画像表示が十分に再現できないため、当社のハイエンド液晶ディスプレイモジュールでは、RGB各色8bit入出力対応ながら、内部に10bitのLUTを装備させることによって対応してまいりました。しかしながら、一部のプロフェッショナルユーザからは、さらに高度なデータ加工・編集作業に耐えられるよう、より高い色分解能を求める声が高まりつつあります。 このたびの新モジュールは、入力から出力までRGB各色10bitに対応し、さらに内部に12bitのLUTを有することによって、こうした要求に応えるものであります。

当社では、産業用液晶ディスプレイに事業の基盤をおき、顧客からの要求により迅速に、よりきめ細かく応えられるよう、絶え間ない技術革新を重ねております。今後も、さらに高品位な画面表示の提供と利用環境の改善に貢献すべく、新商品を提案してまいります。

なお、本液晶ディスプレイモジュールを、10月20日~22日まで、パシフィコ横浜にて開催される「FPD International 2004」に出展いたします。

以 上

(注1)階調ごとの電圧に対する画面輝度を表したもの。通常は工場出荷時、人間の眼で見て適正な階調表現となるよう調整されているが、高度な画像処理を行うプロフェッショナル用途においては、作業環境(WindowsかMacintoshかなど)や表示コンテンツによって、また他の入出力機器とのマッチングを行う場合などにも、ユーザサイドでガンマ補正を行うケースがある。

プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。