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マルチタイリング機能により8面組み合わせ表示が可能なモノクロ電子ペーパーモジュールを開発

報道関係各位
2008年10月27日
日本電気株式会社
NEC液晶テクノロジー株式会社

NEC液晶テクノロジー(代表取締役社長:上野 敏彦、本社:神奈川県川崎市)はこのたび、A3サイズおよびA4サイズのマイクロカプセル型電気泳動方式(注1)電子ペーパーモジュールを開発しました。

新開発の電子ペーパーモジュールはいずれも、当社が液晶ディスプレイの設計・開発によって長年培ってきたTFTアクティブマトリクス方式に基づく独自の駆動技術を用いることで、16階調のグレースケール表示、白反射率43%、コントラスト比10:1を実現し、新聞を上回る階調表現力と視認性を確保しています。さらに、マルチタイリング機能を有する当社独自のコントローラ回路の内蔵により、本モジュールを最大8枚まで組み合わせて大型の表示装置として利用することができます。特に、A3サイズ電子ペーパーモジュールでは、モジュール4辺のうち2辺が1mmという超狭額縁を実現し、マルチタイリング表示時の「継ぎ目」を小さくすることで、違和感を最小限にしながら、新聞4面分の大画面表示を実現することができます。

電子ペーパーは、紙と同じように反射光を利用して画面を表示するため、視野角が広く、直射日光下での視認性も高く、従来の発光型表示デバイスに比べて眼への負担も少ないとされています。また、光源を必要としない上、一旦表示された情報は電力を供給しなくても保持でき、表示を書き換える際の消費電力も小さいため、利用時の消費電力を極めて低く抑えることができます。さらに、薄型・軽量であるため、設置場所の制限が少なく、可搬型機器への搭載にも適しています。これらの優れた特長により、電子ペーパーは、次世代表示デバイスのひとつとして、民生系・産業系の様々な分野で急速に期待が高まっています。
NEC液晶テクノロジーは早くから電子ペーパーの可能性に着目して研究・開発を重ね、様々なサイズの試作機の設計・製作を行いながら、市場性や技術的課題など多様な観点から検討を進めてきました。このたびの開発は、こうした取り組みの一環として、日常使用している紙との親和性が高いA4サイズおよびA3サイズでの試作に成功したものです。

NEC液晶テクノロジーは今後、電子ペーパーの量産化を前提に研究・開発を推進し、当社のメインターゲットである産業用液晶市場での新たな用途の開拓に取り組んでいきます。

当社は本電子ペーパーモジュールの試作機2種(A3サイズ、およびA4サイズ)を、10月29日~31日にパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催される「FPD International 2008」に出展します。

試作機の仕様は、別紙をご参照下さい。
「A3サイズ電子ペーパー」の主な仕様 <別紙 1>
「A4サイズ電子ペーパー」の主な仕様 <別紙 2>

以 上

注1: 米国イー・インク社が開発した方式。透明なマイクロカプセルの中に、正極に帯電した白の顔料粒子と負極に帯電した黒の顔料粒子が入っており、電圧をかけることで顔料粒子を移動させ、表示を実現する。今回の試作機は、イー・インク社製「Vizplexイメージングフィルム」を採用。

プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。